第1回びわ湖ホールピアノコンクール本選 審査員からのメッセージ
令和7年1月19日(日)に本選を行いました「第1回びわ湖ホールピアノコンクール」について、審査員から参加者の皆様へのメッセージを掲載いたします。
●阪 哲朗(びわ湖ホール芸術監督/指揮者)
参加者の皆さんの演奏が本当に素晴らしく、ピアノという楽器の無限大の可能性を感じました。
私はピアニストではないので指揮者として、演奏者の年齢にかかわらず「音楽家としてのメッセージ」に注目して演奏を聴いていました。本選の会場は大ホールでしたが、普段とはおそらく環境の異なる中、遠く離れた客席までメッセージを届けることができるか、がとても大事なことです。今後びわ湖ホールが演奏機会の提供などのかたちでバックアップし、これより先の皆さんの成長に寄り添えればと思います。そして、このコンクールも皆さんと一緒に成長、発展させて、末永くお付き合いしていければと願っています。
●上野 真(京都市立芸術大学教授/ピアニスト)
このコンクールの根底には、「いろいろな方々にとってのチャレンジの場を作りたい」という考えがあります。若い方でも長い曲を弾きたい場合は上の部門に挑戦してほしい。一般的なコンクールは受けられない年齢の方にも可能性を提供したい。音楽は一生勉強ですので、今回参加された皆さんも、1年後、2年後、3年後と研鑽を積まれて、また次の回、その次の回に挑戦し、成長につなげてほしいと思います。音色や解釈など、すべてにおいて高みを目指し、音楽を磨いていただきたいです。
入賞者の方はびわ湖ホールで演奏する機会があると思います。音楽家としてのキャリアを作っていく助けになればと思います。
●土居知子(京都女子大学教授/ピアニスト)
本日は、参加者の皆さんが音楽への情熱や色々な思いを舞台上から届けてくださって、本当に素敵な時間を過ごすことができました。
皆さんの演奏を大ホールの客席で聴いていて、四方八方から降ってくる音や、ぐっと心に迫ってくる音など、演奏によって音の届き方は様々で、「音の響き」が重要であることを改めて感じました。更に音を磨くために、ピアノの練習だけに時間を費やすのではなく、見聞を広めたり心を磨いたり…と幅広く学び、日々の生活も大事にしながら、音楽と末永く向き合っていってほしいと思います。年齢制限のない、どんどん可能性が広がるコンクールなので、30代、40代、50代、60代になっても挑戦してください。