マリインスキー・バレエ 『眠れる森の美女』　The Sleeping Beauty

主催:財団法人びわ湖ホール
支援:平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
協力:しがぎん経済文化センター

香る優雅さと気品
～18世紀に創設された、ロシアで最も伝統あるバレエ団～

絢爛豪華、「眠れる森の美女」
ロシアでバレエ芸術が帝国の絶大な庇護を受けていた時代に、「チャイコフスキーとプティパ」という二大巨匠がお互いの才能を最大限に発揮し作り上げた傑作。初演当時のロシア皇帝アレクサンドル三世が多くの家臣にかしずかれた王に、自らの姿を重ね合わせたと言われるとおり、まさに歴史絵巻のような華やかなステージ。壮大さ、豪華さは、まさに「クラシック・バレエの最高峰」と言えるでしょう。

あらすじ
プロレスタン国王の愛娘オーロラ姫は、16歳の誕生日の宴で悪の精力ラボスの予言どおり、編み針が指にささり王国全体が、眠りにつきます。100年の歳月を経て、善を象徴するリラの精に導かれた麗しの貴公子デジレ王が、カラボスとその手下を破り、オーロラ姫に口づけし国とともに目覚めさせ、華麗な結婚式が執り行われるハッピーエンドの物語。

　歴史的建物の向こうに広がる青い空と河。マリインスキー・バレエが拠点とするサンクトぺテルブルグを歩くと、その街並みの美しさに圧倒される。と同時に、この街が多くの芸術家を生んできた理由が、わかるような気がするのである。18世紀に歴史をスタートしたこのバレエ団の偉業と言えばまず、1869年にマリウス・プティパを首席バレエマスターに任命したことだろう。彼は「海賊」「ジゼル」などロマンティック・バレエの時代に生まれた作品を改訂。
　そして、チャイコフスキーとともに「眠れる森の美女」「白鳥の湖」という、クラシック・バレエの王道ともいえる作品を創りだした。彼は他にも「くるみ割り人形」「ラ・バヤデール」「ライモンダ」など人気の高い名作を次々と創作。つまりクラシック・バレエの伝統が生まれた場所こそ、マリインスキー・バレエなのである。歴史と自然と美意識がバランスよく同居するこの街だからこそ、非日常的な美の極みとも言えるバレエの、珠玉の名作が誕生したのだ。
　同時にこのバレエ団で活躍してきたダンサーたちの名前はそのまま、バレエの歴史を語るものである。バレエの代名詞のようなアンナ・パブ口ワ、バレエの革命児、ヴァーツラフ・ニジンスキー。ヨーロッパにロシア・バレエの魅力を印象付けたガリーナ・ウラーノワやナタリア・マカ口ワ。そして、世界各地で活躍し、時代の寵児ルドルフ・ヌレーエフ、亡命してスーパースターになったミハイル・バリシニコフ、そして今も独特の魅力で、世界を虜にするファルフ・ルジマー卜フも、マリインスキーの出身である。
　スター列伝ともいえるこの歴史は今も健在だ。若手スターたちが次々と主役デビューしている中、ひときわ注目されているのが、今回、「眠れる森の美女」で、主演するエフゲ一二ャ・オブラスツォーワ、ウラジミール・シクリャーロフのふたりだ。オブラスツォーワは日本で行われた「ロミオとジュリエット」で、ジュリエット役を踊り、その繊細な表現力が高く評価された。「あのときは夢中で、舞台に出た瞬間、ジュリエットになりきっていた自分がいたんです」。可憐なルックス、まだ20代半ばのオブラスツォーワだが、彼女は自分が演じる役柄に対して深い洞察力で臨む知性派。一方、いかにも王子様然とした雰囲気を持つシクリャロフは、「踊りを愛しているから、疲労感さえ幸せ」と、人一倍の努力家で、踊りに対して真摯だ。
　1890年にマリインスキー劇場で誕生したこの作品は、多彩な踊りがちりばめられ楽しく、見所いっぱいのこの名作中の名作だ。若いふたりのスターを中心にした「眠れる森の美女」は、バレエの伝統と未来形を同時に伝えてくれる、見逃せない舞台になるに違いない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　浦野芳子（ライター）

予定ソリスト：エヴゲーニヤ・オブラスツォーワ、ウラジーミル・シクリャーロフ
作　曲：ピョートル・チャイコフスキー
管弦楽： ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
振　付 ：マリウス・プティパ／レフ・イワーノフ

出演者は6月1日現在の予定であり、正式な発表は公演当日となります。
病気、怪我、その他の事情で出演者が変更になる場合がございますが、ご予約・ご購入いただきましたチケットの変更、キャンセルはお受けいたしかねますので、あらかじめご了承ください。

料金（税込）
S席 : 15,000(14,000円)
A席 : 12,000円(11,000円)
B席 : 9,000円(8,000円)
C席 : 完売
D席 : 完売
E席 : 完売
[全席指定・税込]
※（　）内は友の会会員料金

友の会 ：2009/06/04(木)10:00～（ネット・チケットおよび電話受付のみ）
一　般 ：2009/06/21(日)10:00～

注意事項
6歳未満のお子様はご入場いただけません。
やむを得ない事情により、出演者等が変更になる場合があります。予めご了承ください。
お申し込みいただいたチケットのキャンセル、変更はできません。
チケットのお申し込み後、ご案内の期限までに所定の手続きをされなかった場合は、チケットの販売、引き渡しをお断りします。
公演当日に残席がある場合に限り、青少年（25歳未満）の方に対し、半額で当日券を販売いたします。