アーティスト
バウシュ ピナBausch Pina
(楽器 : 振付・演出 ) 1940年ドイツ・ゾーリンゲン生まれ。第二次大戦の爆撃体験を経て、体制の崩壊と壊滅的な廃墟をこころに刻み込んで育つ。 1955年クルト・ヨースの最後の生徒の一人としてフォルクヴァンク芸術学校ダンス専攻課程に入学、そこで「何を主張したいか」「一体何を表現したいか」「さらにどんな方向へ進んでいくべきか」を学び、その後の基礎を作る。 1958年卒業後クルト・ヨースの舞踊団に入団。1959年ドイツ学術交流会の奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院舞踊学部に留学、アントニー・チューダーに師事。1962年クルト・ヨースの要請で帰国、エッセンのノイエ・フォルクヴァンク・バレエ団に入団。クルト・ヨースの旧作や新作を踊るとともに、助手を務める。1968年に師のクルト・ヨースが引退したため、1969年芸術監督の職を引き継ぐ。 1968年から始めた振付作品が認められ、1973年ヴッパタール舞踊団の芸術監督に就任。ヴッパタールを本拠地として、前提条件なしに身体が成り立っているよりどころを探求する、新しい舞踊表現を展開する。謙虚に努力を重ね、常に何かを捜し求め、身体と音楽とことばによるピナ・バウシュの世界“タンツ・テアター”を確立。1977年ナンシー演劇祭で観客を熱狂させ、世界各都市で公演が続き、「世界の舞踊の流れを変えた」と国際的な評価を高める。20世紀後半から21世紀の最初の10年を迎える今日まで舞台芸術の革新的創造発展への貢献は計り知れない。2009年6月30日逝去。同年6月初演の南米チリとの共同制作による新作が最後の作品となった。