ボローニャ歌劇場 総裁よりメッセージが届きました

ボローニャ歌劇場 フランチェスコ・エルナーニ総裁よりメッセージ 日本の皆様に、ボローニャ歌劇場の公演を披露するために、 これまでと同じくフジテレビション・ネットワークをパートナーに5回目の来日を果たすことは、 私どもにとって大きな誇りであります。 他人から羨まれる音楽に対する良い耳を持ち、文化的に活発で、芸術、音楽に対する 好奇心が強い土地である日本の皆様が深い関心と情熱を持って下さることは、 我々の歌劇場にとって全力を尽くすための刺激という特別な動機となってきました。 今回はそれに加え、ボローニャ歌劇場の引越公演は特別な意味を持ちます。 なぜなら貴国を襲った恐ろしい地震と津波からほんの数カ月後に行われるこの公演は、 世界共通の音楽の力によって、復興と、正常化への挑戦の途上にある 日本の友人たちの近くにいられるという幸せを私たちにもたらすからです。 この公演に出演予定だったアーティストの何人かは、交代することになってしまいました。 オペラという演奏芸術はとてもデリケートで、我々の劇場の歴史は数知れぬ交代劇の歴史でもあり、 時には公演の上演当日にもそれが起こることがあります。 しかし、魔法に満ちた公演になることもある、それがオペラなのです。 今回の引越公演では、健康上の様々な理由で役割を果たせなかったアーティストたちの代わりに、 トップ・レベルの代役を探しました。 《カルメン》のドン・ホセを演じることになるテノール歌手マルセロ・アルバレスは、 国際的な名声を持ち、最近15年位のトップ・テノールの一人です。 世界の最も偉大な歌劇場で喝采され、彼の出演を得るためには何年も前からの依頼が必要です。 彼がこのように間近な公演への出演を引き受けてくれたことに感謝の意を表したいと思います。 大津と東京で上演される《カルメン》は、エスカミーリョ役を 近年シカゴ、ロンドン、パリ、マドリッドなどで歌っているカイル・ケテルセンという フレッシュな顔が参加することにより特別なキャストに恵まれました。 フアン・ディエゴ・フローレスの体調問題は私どもにとって特に悲しい知らせでした。 この特別なアーティストに声帯のデリケートな問題が発生してしまい、 日本で舞台に立つことができなくなりました。 スペイン人テノール、セルソ・アルベロがこの問題を解決するために成し遂げた努力は 非常に大きなものでした。 このアーティストは既に2009年にボローニャ歌劇場の《清教徒》の舞台でフローレスと 交代で出演しており、我々の劇場に対する特別な愛情と、我々の愛する日本の聴衆に対しての 素晴らしい敬意を示してくれました。 アルベロは、我々がベッリーニのレパートリーの現在最高の演奏家であると考える彼の出演を実現するために、 同じ時期に入っていた他の仕事を中断してくれたのです。 ボローニャで伝説的な3点Fを歌ったアルベロが、 テノールに要求されることがめったにない超高音を偉大なる自然さをもって歌うことに、 皆さんが魅了されることを確信しております。 また、最終公演にはイタリアの誇るテノール歌手、アントニーノ・シラグーザが 特別に出演を承諾してくれました。  そして《エルナーニ》のタイトルロールには、 今年、我々の歌劇場で理想的なエルナーニを演じたロベルト・アロニカが、 イタリア共和国建国150周年を記念するヴェルディのこの素晴らしいオペラの主役として、 東京の観客の皆さんと特別な感動の時を共有できることと思います。  既にお知らせしているキャストと、オペラのレパートリーにおいて卓越した 二人の指揮者である我々の愛する首席指揮者マエストロ、ミケーレ・マリオッティと マエストロ、レナート・パルンボを始めとするアーティストたちが来日します。 デジレ・ランカトーレ、ニコラ・ウリヴィエーリ、ニーノ・スルグラーゼ、 ディミトラ・テオドッシュウ、フェルッチョ・フルラネット、ロベルト・フロンターリ、 そしてボローニャ歌劇場の団員たち、オーケストラ、合唱団、テクニカル・スタッフたち。 2013年に250周年を迎える長きにわたり芸術と音楽に仕えて来たボローニャ歌劇場において、 毎回開幕する度にイタリアの観客が感じるような特別な雰囲気と同じものを、 彼らは日本にもたらすことでしょう。 この精神と、日本への再訪によって新たに得たエネルギーを携え、 皆様とともに、幕が開くごとに起こるあの魔法と神秘の時を過ごせることを願っております。 2011年9月 ボローニャ歌劇場総裁フランチェスコ・エルナーニ